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祈りの心、信心のかたち

まさか千手観音の前で…仏像の前で、泣きそうになるとは思っても見ませんでした。


平日で人も少なかろうと、美術館に行ってきました。
9月末から、地域の仏像たちを集めた展示が行われています。
前売り券を購入済みだったので、早めに勉強を切り上げて美術館へGo。

うーん…同年代の人がいない…
城に行っても博物館に行っても良く思うんですが、せっかくこの土地にいるんだから、学生なら良い物一杯見ようぜ!
なんてね。


内容はというと、かなり良かった。


まずは、入口の仁王様に圧倒される。
仁王門じゃないけど、出迎えられた感じで面白い配置。鎌倉期のものらしいです。
作りはやっぱり大らかだけど、格好はなかなか良かったです。愛嬌のある顔立ち。

十王像も凄かった。
大きめで、一つ一つの造作が凝っていて美しい。顔立ち、衣服、冠、個々に違っているのが凄い。色彩も微かに感じられる。こちらは室町時代。
キャプションにあったように、大陸風の服装、顔立ち。肉付きの良い印象。

この初めの方の展示は、大ぶりでなおかつ平安~鎌倉、室町と古い時代作のものが並び、贅沢な空間でした。


先日行った寺の仏像も出張していました。

まずは奪衣婆。
こちらは現存最古の奪衣婆らしいですが…(先生談)
浮き出た肋骨、血管が不気味で何より大きく見開かれた目玉、そして口が怖い。前から動けなくなる感覚。丸く大きい目には、玉眼も何もはめられてはいない。
しかしその、ただ丸く突き出た眼球は何よりも強く光、そしてそれに深く自分の中を見透かされる気になる。

続いて如意輪観音。
この観音様のアンニュイな姿勢(笑)は、やっぱり美しいですね。
造作も整っているし、大きさもあるからかなりの見ごたえ。
今回の仏像の中では、一番美しかったと思う。形といい、雰囲気といい、柔らかだけど引き締まった印象が好きだ。硬く乾いた印象ですが、爽やかでもある。ただ、胴体のバランスが多少悪いのは…地方仏の愛嬌なんだろう。



そして、千手観音。

何だかわからないですが、この前に来て自分は軽く涙か出た。

スペースの横の線をどーんと使い、脇侍の2体(四天王の2方…広目天か何かだった)と、中央に千手観音。体長は170cm以上はあると見え、大きかった。
手は欠けたものも多かったですが、表情は大変穏やか。この整い方は中央作なんじゃなかろうか。
千手観音の魅力は、沢山の手の表情。しなやかに広がる無数の腕が流れるようで、優美です。

ほんと、何だろう。
この前に立ったとき、すっと自分の心に流れ込んできたものがあったといいますか。気持ちも落ち着き、表情や雰囲気から滲み出す優しさか何かが直に自分の内に入ってきたような。

自然と、涙が出てきましたね。

仏像好きでよく見るのですが、こんな気持ちになったのは初めてかもしれない。最近涙もろくなったけど、それもワザしているんだろう…



衝撃だったのが、腹部からざくっと燃えてしまい、足の部分、頭部の顔(十一面観音の頭部にあるもの)、光背のみが残っている像。

顔も胴体も失い、炭化している部分が残っているだけに、本当に痛ましい。

自分の住む土地は、明治時代、廃仏毀釈が盛んに行われた土地でした。
神と仏を分けろ!神道を国教化しろ!…というような波が、数多くの仏像、寺院を初めとした仏教に関する事物を破却してしまったのです。

この像も、その波を受けたもの。
燃やされてしまって、残るのは部分のみ。
不自然に無くなった体の部分が、焼け跡とともに生々しく迫ってくる。
仏像の気持ち…なんてわかろう筈もないが、それでも、どんなに苦しかったろうか、と思うと胸が痛い。

祀られる対象である自分が、焼かれる日がこようとは。

語る術を持たぬ彼らは何も語らないが、ざっくりと無くなった上半身の空間は、何かを語っているように見える。

これは、見ているだけでつらくなってしまう…好きなだけに、余計だ。


靴を履く菩薩様に、寅さんのような顔の阿弥陀さん。
アンバランスな体躯、ユニークな持物。

中央…京都や奈良、和歌山なんかの本場である近畿じゃあ、なかなかこうバラエティーに富んだものはないだろう(笑)

きちっと整い、均整も取れて様式の美を感じる仏様は、美しい。
でも、こういうちょっと「あれれ…」な仏様も、面白い。より変化があって面白いんじゃないかとも思う。バランスはやっぱり気になるかもしれないが。


それにしても、こんなに素敵な仏像が県内にあるとは、思っても見なかった。どうやって作られたのか、技術はどう伝わったのか、なぜ作られたか、そしてどのようにして現在まで残されてきたのか。。。ますます興味は深まるばかり。


かなり充実した内容なので、近隣の方は是非どうぞ☆
私はまたもう一回行ってきます。今日はお金が無くて図録が買えなかったですし…(涙)
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プロフィール

雲隠

Author:雲隠
本、音楽、漫画、アニメ、ゲーム、歴史が好きな社会人。

L'Arcから始まりまして、ヴィジュアルな音楽に興味があります。

黒くて綺麗なのが好きです。

hyde贔屓ですが、yukihiroも気になる…

最近はemmureeが熱い。

よろしくお願いします。


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