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うつほ草紙

『うつほ草紙』、前に中断した所から読み始めたら、内容が解らなくなってしまったので、結局最初から最後まで、一気に読んでしまいました。
うつほ草紙 (1) (小学館文庫)うつほ草紙 (1) (小学館文庫)
(2003/02)
諏訪 緑

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うっ…
表紙の絵がが出ない…



楽天にはあったのでこちら。表紙が、主人公の清原俊華牙。トシガゲ、と読むのです。
原作の、古典文学の『宇津保物語』では、“俊蔭” と書くそうですが、ここでは“俊華牙”なんて、華やかな字が当てられています。素敵です!
長いざんばらな髪が素敵な少年です。


主人公、清原俊華牙の成長で最後まで行くのかな~と思いきや、お話はもっと壮大かつ、因縁に満ちたものでした。彼の子供、そして孫に至るまでの人物を巻き込んでのお話。
俊華牙があんあにも短命で、途中で亡くなってしまうとは…。しかし、当初からの登場人物、波斯のナジャ船長は、物語の最後まで絡んでくるので、期間としてはそこまで長くは無かったんでしょう。

そして、それだけに俊華牙の事が不憫に思えてしまったんですよね。
元々、遣唐使の副使として、16歳の若さで抜擢されたのは、清原を陥れようとする藤原氏の謀略だった。すなわち、日本に帰れる見込みの無い渡航をさせ、俊華牙を亡き者にしようとした…わけですから、そこでナジャ船長に助けられ、波斯で文官として様々な事を学べたのは、幸運だったかもしれない。
しかしそこで、一番大切なものをなくし、呪い…というか、末代に渡る因縁をも得てしまった。
結局、俊華牙の必死に生きてきたこれまでは、なんだったのだろうなあ…なんて、考えてしまったわけだ。
日本に戻ってからの俊華牙は、晩年まで辛そうだった。最晩年は、人相まで違ってしまった感がある。


中でも最もショックだったのは、俊華牙の乳兄弟・琴職人の春音です。
まさかまさか、あんな事になってしまうなんて…(涙涙)

可愛くて、トシカゲ大好きな健気な少年、といったくらいの印象だったのが、どんどん存在感を増し、俊華牙にとってかけがえの無い存在であることがわかりました。二人で一つ、という。

そして問題の、あの場面。

ひょぇえええ!!

いえ…
最初からどことなくそんな雰囲気を匂わせつつ、それが心地よくもあり、二人の関係も微笑ましく見守っていたんです。
そしてしれが、最後の最後で、こう!

でも、さっきの悲鳴は嫌悪感からではなくて、むしろビックリしたから、な方なんです。
春音が、俊華牙が物凄く大好きなんだというのはわかっていましたが、その“愛”の部分が、こういう “愛” だったのか!!・・・という。

描写はごくさらりと、あっさり、自然なものでした。
でも、それがとてもうつくしく、崇高なものに感じられましたね。

状況としては男の子同士のキスという、あれな状態なわけなのですが、少しもおかしくは無かった。


魂で、深いところで繋がっているんだろうなあと。
幼い頃からずっと一緒で、同性同士だからこその、深い繋がりというか。とにかく印象深いシーンでした。

…それに、冷静になって考えてみると、春音は、彼の言葉にあるように、俊華牙から苦しみや悲しみ、そういうものを全て自分が飲み込んで、連れ去ろう…と考えての事だったのかな、とも思います。
諏訪さん作品で見たことの無いようなシーンだったので、かなり取り乱してしまいましたよ私は!(笑)
しかしいずれにしても、あんまりにも切ないです…


それでも、孫の代になって、俊華牙の遺恨も因縁も、全てが断ち切れて、晴れたのは、本当に良かったです。藤原との関係も、良い方向に解決できそうだし…

そう上手く解決出来たことは、やっぱり俊華牙と春音の波斯での活躍があったからこそなんでしょう。
うん、それならばやっぱり、俊華牙の人生も、報われたと言えるんじゃないか。



文庫版全3巻の、2巻目真ん中辺りまでは、ペルシャだとかその辺のお話なので、エキゾチック?な、なんとなく国際的な香りがしますが、それ以降は日本に戻ってきます。しかし、そこでも船長がお目見え!
って、船長ってどんな肩書きだ!
でも、お年を召してもすてきだ~船長。平安時代に、ペルシャ人なんて来たことあったんでしょーか?
ナジャ船長は最後まで色々と世話を焼いてくれたので、嬉しかったです。ホッとしますね。
やっぱり物語の初めから登場していた人が、全員入れ替わってしまったら寂しいじゃないですか~!いくら歴史物でも!



私は、とにかくお話の顛末が気になって、先へ先へと読み進めていたので、イマイチ読み込みが甘く、深い部分はまだ飲み込めていません;;もっと色々なテーマが込められた、もっともっと奥深いお話だと思います;

原作の『宇津保物語』を、現代語訳ですが借りて来ました。また原作を(と言っても、“俊蔭”の章のみですが)読んでから、この漫画を読み返そう。

Comment

2009.09.06 Sun 21:39  |  お疲れさまでしたー

お疲れさまでしたー

そうかー、びっくりなのか・・・
その事自体はあんま気にならなかった・・・あ、私は腐女子じゃないですけど。
それより悲しくて呆然としましたが。

ま、いいじゃないですか。現代では甲子園大会で堂々とピッチャーのほっぺにキスするキャッチャーがいるくらいですから(笑)

わたしもその後で「宇津保物語」を読んだような気がしますが・・・どんなだったか忘れました(^_^;)  機会がありましたらまた読んでみようかと思っています。

2009.09.07 Mon 22:57  |  コメントありがとうございます

>Rさん

こんばんは☆
読み始めたら、気になって一気に読んでしまいました。

いや~自分は、「時の地平線」や「玄奘~」を先に読んだので、諏訪さんの漫画にこういうシーンがあったことに、妙に驚いてしまって…
…実は妹がふ○ょしなので、その辺に過剰反応し過ぎなんでしょうね~;;
えっ!甲子園にそんなシーンが…!

でも本当に、まさか途中であんなことになってしまうとはっ(涙)
一生懸命で、とても良い子だったので、余計に悲しいです…
トシカゲもそうですが、幸せになって欲しかったですね…><

原作があったり、実在の人物を扱った物語だと、その原点にあたるのも楽しみですね!宇津保物語は、今まで触りもしなかったお話だったので、学ぶ良い機会になりましたv

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  • プリンス・オブ・ペルシャ
  • 2009.09.06 05:04

プロフィール

雲隠

Author:雲隠
本、音楽、漫画、アニメ、ゲーム、歴史が好きな社会人。

L'Arcから始まりまして、ヴィジュアルな音楽に興味があります。

黒くて綺麗なのが好きです。

hyde贔屓ですが、yukihiroも気になる…

最近はemmureeが熱い。

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